衝撃を受けたイギリス文化

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2012年イイジマ初のブログでございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます m(_ _)m


さて、48号も無事に発行され、編集部では一息ついているところでございます。
いまでこそweb媒体である『Global Manager』ですが、紙媒体として創刊されてから早10年余り。
(私は当時はもちろんおりませんでしたが)
今号では「グローバルビジネス・人材、この10年」と題して、
この10年のグローバルビジネスの構造的な変化をどう読み解くべきか、
また求められる人材像はどのように変わってきたのか、というテーマで特集をお届けいたしました。


寺島実郎さんをリーダーズボイスにお迎えし、
特集では、世界的コンサルティング会社A.T. カーニー日本支社の代表パートナー梅澤高明さん、
グローバル企業の先駆けとして知られるコマツにおいて人事を担当されてきた日置政克さんにご登場いただき、
それぞれに異なる視点やご経験から、この10年と今後の10年について語っていただきました。

また『Global Manager』は48号をもちまして、リニューアルする運びとなりました。
その節目という点でも、ふさわしいテーマだったのではないかと思います。
ぜひお読みいただければ幸いです。



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さて、今回も私のグローバル体験として与太話をひとつ・・・コホン
ロンドンに滞在していたときにのお話です。



私は人生のロンドン滞在のほとんどをイギリス人老夫婦(モーリス&オードリー)の家で過ごさせてもらいました。
ともにロンドナーのおふたりはとても心温かいご夫婦で、近所や友人知人の集まり、スーパーや郵便局、銀行などどこへ行っても
「She is our Japanese daughter」と紹介してもらっていたくらい、たいそう可愛がってもらいました。
いまも渡英した際には必ずこの家に泊まらせてもらっていて、
あちらも「今回は部屋が空いてないから居間に簡易ベッドよ」など、私への扱いも気楽なものです。
(ときどき学生がホームステイする家でもあるので部屋がないときもある)
ヨーロッパは日数的にも金銭的にも負担が大きいので、いい加減ほかの国に旅行したいとも思うのですが、
でもやっぱりモーリスとオードリーがご健在なうちはできる限り“逆里帰り”したいと思っています。



このおふたりは、近所でもけっこう知れた親切&面白いご夫婦。
モーリスはいつも冗談ばかり言うひょうきん者だけれどもとても紳士、なおかつ話が大好きなおじいちゃんです。
とにかくいつも長〜く難し〜い話を私にしてくれるのですが、ただでさえ耳力が弱い上に集中力も恐ろしく乏しいので、
途中から意識が別のところへ飛んでいってしまい、まるで頭に入ってないときも多々あります。
(でも本人は私の反応が薄くてもまったく意に介していないご様子)


オードリーは「スケ番」を連想させる金髪のパーマヘアと体格の良さ、さらに鋭い目つきがド迫力のおばあちゃん。
放蕩息子にも「I’ll kill you!」と言っているのがよく聞こえます・・・。
そんなオードリーのことをよく知らない人は恐怖で戦慄してしまうのです・・・が!
実は度量が広くて男前の性格で人情味にあふれた、まるで東京下町のお母さんのような人です。
竹を割った性格とはまさにこういう人のことを言うのだなぁと思います。


かかあ天下を地でいくご夫婦で、モーリスはいつもオードリーにシメられています。
みんなには優しいオードリーですがモーリスと息子には大変厳しいのです。
私やほかの人から見たらモーリスは優しくて面白くて家事もよくやってくれる大変良き夫なのですが、
きっと夫婦にしかわからない、オードリーのキレポイントに触れてしまう何かがあるのでしょう。


いまや70代中盤に差し掛かり、私が最初に住まわせてもらっていた12・3年前でもすでに60代前半だったご夫婦ですが、
モーリスはその時代の男性にはめずらしく大変まめまめしく家事を率先してやるご主人です。
お国柄ももちろん十分にあるのですが、
「ぼくらの時代の男でこんなに家事をやるのはなかなかいないぞ。まったくあいつは分かっちゃいないんだから」
などと愚痴をこぼしていたこともあるので、やはりイギリスでも珍しいくらいに家庭的な夫なのでしょう。



オードリーのかかあ天下は年を取った今でも猛威をふるい、モーリスが弱ってきてますますパワーアップしている様子。
私が日本から電話すると、オードリーがまず電話に出て
「ちょっと聞いてよ。モーリスったらぜんぜん家事もしないで一日中ソファでごろごろしてるのよ」身体が弱っていると聞いているような・・・?
「歩くのもほんとに遅くなってねぇ。足腰が弱ってきてるのよね」それは歩くの遅くなるよね・・・
「ちょっとは散歩にでも行きなさいっていつも言ってるのに怠けちゃって」怠けと言ってしまってよいのでしょうか・・・
などと、モーリスに対する愚痴を最初に話した後「じゃ、彼にかわるわね」というのが大体のパターンです。


そして受話器の向こうから聞こえる怒号・・・


「モーリス! モーリス!! 電話よ!!!
ハリーアップ! 


えっと・・・身体や足腰が弱ってきているっていう今の話は・・・
モーリスがまた無駄に怒られているのを聞いて「電話してごめんね、モーリス・・・」という気持ちになって
モーリスが電話のところへと到着するのをゆっくりと待つ私です。



私が住まわせてもらっていた頃も、おしゃべり大好きなモーリスが朝ごはんを食べている私に向かって、
政治やら経済やらの話を流れる水のごとく話し続けていると
シャラップ! 朝からうるさいのよ、この子だって支度で忙しいのにあんたの話なんか聞いてられないわ」
とオードリーのお叱りが飛んできます。
モーリスは「おぉ怖い怖い」と言ってわざと身体を震わせて私に見せて黙るのですが、十秒ともちません。
そしてまたオードリーに叱られる・・・の繰り返しです。



また、あるときは、モーリスのお母さんが入院し、3人でオードリーの運転による車でお見舞いに行った帰り道のこと。
助手席に座っていたモーリスが、オードリーに向かって
「あ、今のところ右に曲がればよかったのに」
「ほら、信号が青に変わったよ」
などと横からちょこちょこと口を挟んでいました。
後部座席に座っていた私が「そろそろ来るぞ・・・」とちょうど思ったそのとき


シャット・アップ。 ゆっくり静かに言うのが怖さ2倍
次に何か言ったらあんたも病院送りにするわよ


しええぇぇぇええ〜〜〜〜^^;
後部座席を振り返ったモーリスは口に手を当てて「ううっぅうう・・・」と泣いたふりを私に見せます。



と、万事こんな調子のご夫婦なのですが、「さすが欧米文化!」と思わされた瞬間がありました。


モーリスのお母さんの病院にモーリスが泊まりに行くとなったある晩のこと。
「じゃ、行ってくるよ」と言うと、モーリスとオードリーは自然と口と口でぶちゅっとしたのです。
今晩は帰らないからということだったのでしょう。


これは衝撃的なグローバル体験でした。
いつもモーリスに文句ばかり言っているオードリーと、シメられているモーリス。
もちろんそこには夫婦の強い絆があるのでしょうし、日本人夫婦にもそのようなご夫婦はたくさんいらっしゃいます。
ですが、毎日のように怒り怒られ文句や言い合いの多い老夫婦がちゅーをするなんて、日本ではまず考えられないと思うのです。


普段の生活のなかで至るところでイギリス文化を感じることはもちろんありましたが、
これはとても強く心に残った文化の違いでした。


と、いうわけで、久しぶりに私のグローバル体験を書かせていただきました!
次回はアラマキによるキレとコクのある記事がまた投稿されることでしょう。

それではみなさま、良い週末を!!!


※本日のブログアップを目指して若干急ぎ目で書きましたゆえ、乱文お許しください。



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