私のお気に入りランチ「梅豚うどん編」

globalmanager2006-12-22


編集人のSです。今日が2回目です。
前回の宣言通り柔らかなブログとさせていただきます、と、のっけから硬いか?


硬さを避けるにはヤッパリ食い物の話がよろしかろうというわけで、私のお気に入りのランチをご紹介しましょう。『GLOBAL MANAGER』の編集部は赤坂に近いので、おいしい店は星の数ほどあり、メニューもその何十倍もあるのですが、その中で私が数年前から赤坂でお昼を食べるようになって初めて知ったメニューがいくつかあります。
「梅豚うどん」「スーラータンメン」「汁なし坦々麺」などです。
昨日はその中の珠玉の一品「梅豚うどん」をいただきました。
これは名前の通り、豚肉と梅干が入った温かいうどんなのですが、豚肉のほのかな甘みと梅干の酸っぱさが融合しており、スープを口に含んだだけで、もうこれだけでアイデア賞をあげたい気持ちになります。スープは関西風の薄味ですし、うどんはコシがありながらも歯ざわりが良く、うまい。食欲が減りがちな夏は、胃液の分泌を促す梅干がありがたいのに加え、豚肉のビタミンBで、疲労回復間違いなしです。もちろん今の季節も食後にホックホクに暖まることができるし、第一、梅干には老化防止の効果があるそうで、馬齢を重ねることに思いを馳せざるを得ない年の瀬の、ほんの僅かな慰めにもなるでしょう。店はエスプラ通りの真ん中辺りにある「澤乃井」で、1982年の開店当初からの人気メニューだそうです。870円なら文句なし。


そして、「食べること」を考えるとき、いつも思い出すのが、我が甥っ子、Ericの食事のこと。
彼は在米30年近くになる義理の弟とアメリカ人女性との間にできたハーフで、ほぼ毎年夏になると両親と一緒に10日ほど来日します。彼がまだ5歳位だったころのこと。みんなで寿司屋に行くと、両親は注文の際に彼に一生懸命メニューの説明をし、自分で注文を決めさせるのです。これは海苔がついているとかいないとか、ツナだ、スキャロップだ、シュリンプだなどなど延々と英語で説明し、本人が食べるといったものだけ注文するのです。どうしても理解できないものは「トライするか?」と聞いて、「ウン」といったものだけたのむのです。そして、彼は一口食べて口に合わないと決してそれ以上は口にしないのですが、結局のところ、今も一番の好物は「す巻き」です。甘いもの系では「かき氷」。
5歳の子供が食い物を自分ですべて決めなければならないのは大変だろうにと自分の40年以上前の姿と比べたものです。そのころの私の食事といえば、目の前に出てきたものを全速力で平らげることだけに夢中で、かつ、お米を一粒も残すな!を実践することに集中していたような。小学生のころ、家に帰って「給食は何だった?」と聞かれて、ぜんぜん覚えていなかった自分を記憶しています。これは何か別の問題がありそうですが、、、


食事の決め方でどこまで言えるかは別として、幼いころから何事も自分で決めていくことは自分の人生を決めていく事にもつながっているような気がしますし、だからこそ、はっきりとした自己主張をする習慣が自然に身につくのではないでしょうか。一歩進んで、なぜそう主張するのかという説明能力もついてくるのかもしれないと感じました。そして、決めたことに責任をもつ。たとえば、口に合わないものを注文してしまったら、その日は空腹を満たすことができないわけです。(実際はそこまでシビアではありませんが)


話は少し外れますが、先日の日本経済新聞(12/20夕刊)で、30代の未婚が増えている昨今、札幌の結婚相談室が開く親同士のお見合い会に多くの参加者が集まることの背景として、聖心女子大学岩上真珠教授が「自活の経験に乏しい(S注:親と同居している)30代に未婚者が多いのもうなずける結果といえる。『親同士のお見合い』などに足を運ぶ背景には、子供に自己決定力をつける教育をしてこなかったという反省の気持ちがあるのかもしれない」とコメントしています。


自己決定力、大事です。


5歳の子供が栄養のことをどこまで考えていたのかわからないけれど、肉も魚もあまり食べず、好きなものしか食べていないのにもかかわらず、朝のシリアルが効いているのか、10歳を少し超えただけで、身長は170センチ以上、自然と生えてきた黒々とした髭を蓄えた立派な少年に成長しています。Ericは数学が得意で成績もよいし、日本語も勉強中。将来きっと『GLOBAL MANAGER』に登場するような活躍をしてくれることだろう、と、親馬鹿ならぬ、伯父さん馬鹿のSでした。


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