「HRD JAPAN 2007の報告」その1


こんにちは、『GLOBAL MANAGER』編集部の牛原です。

編集長に続いて、僭越ながら私もHRD JAPAN 2007へ参加してまいりました。2月7日の「次世代リーダーの育成」と、2月9日の「特別企業研究」に参加し、各企業の取り組みを伺ってきました。

今日は2月7日の「次世代リーダーの育成」で発表された、日産とアメリカン・エキスプレスの取り組みについてご紹介したいと思います。はじめに日産の西沢氏、10分休憩を挟んでアメリカン・エキスプレスの河野氏が発表されました。

冒頭に、コーディネーターの方が会場の参加者へ質問を投げました。「みなさんは次世代リーダーの層はどのあたりとお考えでしょう?」と各層を上から順番に言って挙手を求めたところ、部門長クラスで一番多く手が挙がったように記憶しています。

ちなみに日本能率協会の定義は、「次世代リーダー=事業を預かる立場の人間」だそうです。参加者の認識の方が、若干層が降りてきているのかなと思いました。

まずは日産の西沢氏の発表。

日産はルノーと提携後掲げた中期経営計画の中で着々と目標を達成し、いまやバリューアップ(更なる発展と価値創造)の時代に差し掛かっているということでした。その過程で日産が一番変わった部分、それは“ダイバーシティマネジメント”の実現。「これからは多様性が価値を生むのです!」と力強く言われていました。その日産の「次世代リーダーの育成」取り組みは、上層部で構成されたNAC(Nomination Advisory Council)というメンバーによって“ポテンシャルのある人”が発掘され、その発掘された人がいろいろな修羅場を含んだキャリアパスを歩み、適切なタイミングでトレーニングを受け、育成されるそうです。日産の社員はとても大切にされている印象を受けました。

かつて『GLOBAL MANAGER』第25号にご登場いただきました 川口常務も、「日産は人材を会社の財産=“人財”と考えている」とおっしゃられていました。

続いてアメリカン・エキスプレス河野氏の発表

アメリカン・エキスプレスでは、「エンゲージされた社員(Engaged Employee)」と表現されているそうです。エンゲージされた社員を育成するための人事制度に、上級管理職も含めて100%ジョブポスティング・システムで人材が動くというお話があり、それに「自主性を重んじるアメリカの企業は違うな〜」と個人的に驚きました。

人事評価として、8つコンピタンシー(実際はもっとあるそうです)が紹介されました。それぞれ定義があり、それに対してまたそれぞれ「高いパフォーマンスの例」と「低いパフォーマンスの例」が設定されていました。実際の業務の中で生まれた事例をそのコンピタンシーで評価し、「高いパフォーマンスの例」の数の多い事例=評価が高いとされるそうです。“いい事例”が、アメリカン・エキスプレスのDNAとして語り継がれるということでした。

日産の西沢様、アメリカン・エキスプレスの河野様、今日は大変参考になりました。次回は2月9日の「特別企業研究」ネスレ様の発表について報告したいと思います。

以上、牛原でした。

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