「世界に通用する強い“組織”と“個”とは」


前日の編集員岩楯の日記を読んで「探さないで下さい、って何〜!?」とかなり不安な気持ちで朝を迎えたYです。。。が、とりあへず席にいたので一安心(していいんだよね???まだしばらくお暇はやれなくてよ〜)。


さて先週に引き続き、オープニングセッションの今北氏と平尾氏の特別対談についてお話ししたいと思います。今北氏は『GLOBAL MANAGER』第27号にもご登場いただいた方で、欧州と日本を拠点に政府系機関や日欧の有力企業トップマネージメントに対するコンサルティングを多々行っていらっしゃいます。平尾氏はご存知の方も多いかと思いますが、神戸製鋼ラグビー部のゼネラルマネージャーで、現役時代は高校、大学、社会人リーグのすべてで優勝を経験されています。このお二人がお話される対談のタイトルは「世界に通用する強い“組織”と“個”とは」。


冒頭で、今北氏が定義されたのは、このようなものでした。


世界に通用する = 日本国内でできていることが国境を越えてできるか
強い個 = 腕力が強いのではなく、チャンス・逆境に強い。不測の事態に臨機応変に動ける。
強い組織 = さまざまなパラメータ(財務、利益、人材など)について常にベンチマークし、持続的にトップを占めている


これをベースにいろいろなお話をしてくださったのですが、印象に残っている部分をいくつかご披露したいと思います。平尾さん曰く、「チームといっても個のかたまり。ベースはやはり個の力で、ここをアップさせていかないとチームの力も上がらない」とのこと。ただし、最後のところでチーム力に結び付けるにはイノベーションが必要とおっしゃっていました。特にラグビーというスポーツは野球と違って監督が逐一指示を出すのではなく、フィールドで選手がその時その時の判断でプレイする必要があるため、変革をおこせる力がないと常勝はできない、とのことでした。スポーツの分野でも情報化が進み、戦術がすぐに盗まれる時代になり、昔は5−6試合通用した戦術が今は1試合かよくて2試合だからだそうです。ビジネスでもよく言われる指示待ち人間ではだめってことですね。


平尾さんはまた、日本の強みとして緻密さと徹底ということを指摘されていましたが、今はそれだけでは立ち行かなくなっている。だから金太郎飴のように均一な人の集合よりも、いろんな形をいかに面積を削らずにとがっているところ同士をうまく組み合わせて生かすやり方が必要になってきている、とおっしゃっていました。それぞれのとがっている部分を削って同じ形にすると、当然面積が減るわけで、いかに面積を減らさずに組み合わせで美しい形を作るかが重要との話にはなるほどなぁ、と深くうなずいてしまいました。しかし、言うは易く行うは難し、とはまさにこのこと。図形と違って人間の組み合わせは難しいです、いろいろと・・・


日本人は本番に弱い、というメンタル面のお話では、“勝ちたい・負けたくない”という気持ちよりも“勝たねばならない・負けてはならない”という気持ちが勝ってしまうと萎縮してしまって挑戦する気持ちがなくなるからでは、と指摘されていました。また、西洋のスポーツは産業革命の時に生活に余裕ができてきて、いかに楽しむかというところから発生したものなので、あくまでも楽しみという範疇のものだが、日本のスポーツは体育(これはもともと軍事教練だったそうです)から発生したものなので、鍛錬・忍耐・協調性を求められる、というお話も目からウロコでした。


話は変わりますが、ラグビーの本場イギリスでも少子化の影響でラグビー人口が減っているそうです。一人っ子が多いので、大事な一人息子にあんな危険なスポーツはやらせられない、と。そこで、イギリス政府が考えたのが、女性ラグビー!女性(=母親)がラグビーの楽しさ、素晴らしさを知ったら子供にやらせるだろう、ということで、イギリスでは20年位前から女性ラグビーにかなりの投資をしてきたそうです。その成果あって、じわじわとラグビー人口が増えているのだとか。おもしろいですねー。日本の政治家には思いつかない発想ではないでしょうか?


対談の後のレセプションで、お二人とご挨拶させていただきました、お二方ともとても素敵な方で!なんだか元気をいっぱいいただいたような気がいたします。平尾さんのご著書を購入いたしましたよ!!!