「HRD JAPAN 2007の報告」その2


こんにちは、編集部の牛原です。
前回の宣言どおり今回は2月9日の「特別企業研究」ネスレ様の発表について報告したいと思います。
ネスレは以前「ネッスル」で親しまれていましたが、1994年から本社と同様の読みに合わせるためネスレに変更しているそうです。日頃から個人的にとってもお世話になっており、特に「ミロ」というココア味の麦芽飲料は、子供時代たっぷり牛乳を入れて毎日のように飲んでいました。「コーヒーは大人の飲み物よ」と教わっていたので、逆にミロは「子供の飲み物か」と深く納得していました。強い子のミロ♪というCMのとおりおかげさまで強い子に育ちました。


ミロは大人が飲んでもおいしいね
ちなみに、実直な義理の父は他のどんなコーヒーより「Nescafé」が好きで、Nescafé一筋うん十年です。海外からやってきて、こんなにも親しまれている商品ってあまりないですよね。


さて、発表されたのはネスレ 人事・広報本部 人材開発 マネジャー 小園義人氏と、同じく人事・広報本部 リソースマネジメント マネジャー 森貞律氏のお二方でした。まず、「ネスレは、チャレンジ精神、前向きな人を応援する企業で、費用対効果という物差しでは計りません」というお話から始まりました。ネスレもまた社員を「最も価値ある資産」と定義されていました。
ネスレグループ共通のリーダー像をあらわす13のコンピテンシー、「ネスレ リーダーシップ フレームワーク」というものをご紹介いただきました。4つに分類された丸の中に、「付加価値を創造する(Adding Value)」をセンターに置き、上に「意欲を高める(Inspiring People)」、右に「人との関わり(Dealing with Others)」、左に「心を開く(Opening Up)」とありました。そのそれぞれの丸の中にコンピテンシーが計13個書かれていました。


ネスレのリーダーに対する考え方は、
・ 変化や変遷に適応しながらも、揺るぎないネスレの核心的価値観に基づいて行動するリーダー
・ よりフラットで柔軟な組織へと進化する中で、社員を活気づける(インスパイアする)マネジメントを実践するリーダー
です。こういった人材を育成するため、先に上げた「ネスレ リーダーシップ フレームワーク」をベースに2005年からスタート。特徴は以下2つの軸でMD(Management Development)に取り組んでいる点ということでした。
1. キーポジション(ビジネスを運営していく上で不可欠のポジション)
2. 人材プール(ハイポテンシャル人材)

このセッションのコーディネーター日本大学 商学部 郄井透教授は最後にネスレについてこうまとめられていました。ちょっと自分流に解釈しているかもしれませんが・・・。


140年前にスイスで事業を立ち上げ、ヨーロッパで展開してきたネスレ。その背景には、当たり前に“異質”があり、ネスレはそれを当たり前に受け入れていた。そこにグローバルのベースがある。また、急激な成長を望んできた企業ではないが、そこに人材を育て、学ばせる意識があるのでしょう。


取り組み初めて今年で3年目ということで、セッションの最後には課題もあると話されていましたが、きっとそこには社員一人ひとりがじっくりと、確実に成長できる環境があるのではないかと思いました。ということでした。HRD JAPANで多くを学ばせていただき、編集長に感謝です。以上、牛原でした。


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