甲州種ワインのグローバル化について


『GLOBAL MANAGER』編集人のSです。
5月21日が二十四節気でいう小満(しょうまん)でありまして、夏の陽気が次第に満ちていくという意味だそうです。確かに暑くなってきましたね。早くクールビズを実践したいところです。それにしても、今頃小満なんて言ってるけど、ぐずぐずしているうちに次の節気になっちゃうよ、と注意されそうですね。失礼しました。

前回は花の写真などお楽しみいただきましたが、今回おまけに「桃の花」をご覧いただきましょう。4月に山梨で撮ったものです。ちょっと季節はずれですが。


「写真では伝わりきらない、まさに桃源郷なのです。」

東北生まれの九州好きであるSは、実は山梨好きでもあり、カミさんの運転で1年に何回か出かけています。(因みに帰りの運転だけは私の担当です。)何しろ二十数年前に会社員として初めての出張が石和温泉だったので、甲府盆地には馴染みがあるのです。温泉も良いし、桃やブドウなど果物もたくさんあるし、桜もきれいですが、少し遅れて咲く写真のような桃の花も一見の価値ありです。まじかに見ればギュット詰まった感じがそれはそれで美しいのですが、少し小高い丘に登って上から眺めるのがコツです。まさにピンクの絨毯です。都心では花見ができるほど桃がまとまっている場所はありません。何故ならば、桜と違って、桃は農家が実を収穫するために育てているので、当然のことながらこちらから出かけていかなければならないのです。

ところで、この辺りは、最近ワインが評判です。特に白、「甲州」というブドウを使った甲州酒ワインがなかなかの味を出しているのです。山梨では多くのワイナリーがあり、切磋琢磨しているのが良いのでしょう。私の一押しは「原茂ワイナリー」の「樽熟成ヴィンテージ」というやつです。柑橘系の香りを勝沼里山を形成する土の香りが包み込んでいるような感じがする、などとワイン評論家みたいなことをいっていますが、とにかく美味いのです。去年、何かの賞を貰っていたはずなのにHPでそのことを宣伝しないのは生産量が少ないからでしょう。

そんな甲州種ワインにグローバルな動きがあるのでお伝えしましょう。

以下は先日の日本経済新聞(5月27日朝刊)の国産ワインはなぜ高級化?というタイトルの記事からです。それによると円安・ユーロ高による欧州ワインの価格上昇に加え、産地表示の厳格化の影響で「国産ぶどう100%」がアピールポイントになっていること、また、和食ブームの影響で海外で日本のワインへの関心が高まっていることなどから、できの良い国産ワインが増えているというのです。また海外のコンクールでも受賞するケースがでてきており、甲州種ワインに限っても、2004年にメルシャンとアサヒビールが、2005年にサッポロビールマンズワインが、2005年に勝沼醸造、2007年にサントリーが受賞しています。JALのファーストクラスにも勝沼醸造のワインが今年から加えられたそうです。

そして、勝沼のグレイスワイナリーの挑戦、「きいろ香」の発見といった甲州種ワインの更なる情報については次回ご紹介します。今回は出し惜しみのSでした。

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