[荒牧より]十年一昔なエトセトラ

みなさま、こんにちは。
6月から弊協会でも始まるクールビズ・シーズンのスタートを控え、実際はどの程度「クールな」
格好をしていいのか読みかねている今日この頃、『GLOBAL MANAGER』編集部の荒牧です。


早いもので入団してもうすぐ半年、3度目のブログアップになります。


Web化第一弾の『GLOBAL MANAGER』第34号は現在絶賛仕込み中でして、Web情報誌として
の新たなスタートに向けて、編集部一同、取材に編集にデザインの打ち合わせにと奮闘中
でございます。8月上旬のお届けまで、いましばらくお待ちください&ご期待くださいませ!
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さて今回は、横浜で行われたイベント(と言っても、セミナー等ではございませんが……)
にたまたま2カ月連続で参加してきたので、そのお話でも。

まず、4月中旬、赤レンガ倉庫パーク(?)脇の野外特設会場で行われたJack Johnson
ライブに行って参りました。ハワイ出身のJack Johnsonは、元プロ・サーファーという経歴
を持ち、アコースティック・ギターで奏でるゆったりとしたメロウな音楽で、2001年のデビュー
以来、エコやオーガニック、ロハスといった世の流れとも共振して、あっという間に世界中
で人気者になったミュージシャンです。今年2月に発売された最新作も米ビルボード誌のチャート
で初登場以来3週連続No.1、日本でも「アエラ」誌の表紙になったりしていますので、ご存知の方も
いらっしゃるかもしれません。
実は、私自身も4年ほど前からサーフィンをやっているのですが、そのきっかけはこのJack
に憧れて、という実にミーハーな理由だったりします(笑)。Jackのライブを見るのはもう
5度目くらいになるのですが、今回はパフォーマンスが素晴らしかったのはもちろん、やはり
海に面した野外という最高のロケーションに、すっかりやられてしまいました。

そして、ちょうど先週末、その赤レンガ倉庫の対岸(?)にある大桟橋ホールというところで行われた、
「GREENROOM FESTIVAL」というイベントに行ってきました。これは、サーフィンにゆかりの
あるミュージシャンたちのライブと、写真・ムービー・アート作品などのサーフ・エキシビジョンが一体
になった、まさに「サーフィン」がテーマのフェスティバルでした。サーファーというと、
何やらいかつくて、怖いというイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は、
海や自然のリズムに寄り添って生きている人たちですから、とてもメロウでピースフルな人
たちが多いのです。「GREENROOM FESTIVAL」も、そんなリラックスした雰囲気に包まれた
素晴らしくピースフルな空間で、すっかり気持ちよくなってしまいました。


こんな感じで、私自身、この種のフェスティバルによく行ったり、英米のロックが好きで通勤中
によくお気に入りの曲をiPodで聴いたりしているのですが(英語の勉強も兼ねて、ですよ!)、最近では
「十年一昔」という言葉が頭をよぎったりもします。


十年前には、野外フェスもまだマイナーな存在でしたし、iPodもなかったし、YouTubeだって
MySpaceアメリカ版のmixiみたいなSNS)だってなかったわけです。インターネットですら、
まだ一部の人たちだけのものでした。
ところが、2008年現在、それらはもう当たり前にある時代で、音楽産業もそれらによって革命的
と言っていいくらい激変してしまいました。音楽をパソコンからお手軽にmp3でダウンロードして聴く
のはもう当たり前。発信する側も、メジャー資本のレコード会社に属さなくてもYouTubeMySpaceを介して、
誰でも簡単に自分の音楽を世界中の隅々の人たちにまで届けられる時代になったわけです。これらは、十年前
には考えられなかったことですよね。昨年から今年にかけては、英米をそれぞれ代表するロック・
バンドであるRadioheadNine Inch Nailsが、最新アルバムを自らのHPにて無料でダウンロード
で配るという前代未聞のリリース方法をとりましたが、まさに今の時代を象徴するような出来事でした。


60年代、70年代、80年代、90年代という言い方をする時、それらの時代を包括するような音楽性のイメージ
が何となくあるような気がします。でも、「00年代」(もう08年ですから、こういう言い方も可能ですよね)
と言うとき、もはや音楽そのものより、音楽産業のあり方や音楽の聴かれ方が変わった時代、ということで
記憶されるのかもしれません。かつてカウンター・カルチャーや反体制といったものの旗手であった
ロックも、産業構造の変化からは逃れられないといったところでしょうか。長髪にして中指を立てていれば、
とりあえず「反抗ごっこ」の気分を味わえた牧歌的な時代は終わり、現在本当に先鋭的なロック・ミュージシャン
は、そのラディカルなリリース手法でもってロックをとりまく産業構造そのものに疑問を投げかけているのかもしれません。


というわけで、カジュアル過ぎる話題を書いてしまった反省からか、話を強引に音楽業界の「産業構造」に
つなげてしまった荒牧でした!


来週は、ASTD国際会議に参加するため米国に出張する近松モンちゃんより、「サンディエゴより、愛を込めて」(仮題)
をお届けする予定です(あくまでも、予定で未定です)。
お楽しみに!