戻ってまいりました。

*[近松より]

荒牧の前フリどおり、サンディエゴより愛をこめて
皆様に実況中継をしたかったのですが、
200以上のセッションとハイレベルな議論を理解・吸収するのに
精一杯なASTD体験となってしまいました・・・。


ASTDとは、American Society for Training & Developmentの略なのですが、
参加者は世界各国から集まり、もはやアメリカというより、
インターナショナルな知識交換の場となっていることは間違いありません。


特に印象的なのは、アメリカ国外の参加者数において
トップの韓国からの参加者(442名)と
今年はやけに多く感じられた中国からの参加者(131名)です。
そのほか、中東からの参加者も目に付き、まさしくグローバル化
着実に進んでいるのだと肌で感じ取れる機会となりました。


ちなみに、日本からは264名でした。


朝8時から17時過ぎまでの間に、
できる限りの知識と情報を得ようという参加者の熱気に圧倒され、
その後18時から22時近くまで開催される勉強会での議論の密度の濃さに刺激され、
話し足りないかのように、その後開催されるインフォーマルな情報交換会によって
立体的な情報収集ができたような気がします。


こんな感じのスケジュールを4日間だったので、
普段から思考力の鍛えられていない私としては、相当脳に負担が・・・
いえ、刺激をもらってきたのでした。


さて、今回もっとも注目を浴びたテーマは、何だったと思いますか?


もちろん、実際には様々なテーマが絡み合っていて、
実はつながっていることが多いので
一つに絞ることは難しいのですが、
私はタレントマネジメントに関する関心の高さを感じました。
というよりは、このタレントマネジメントという言葉の概念が
相当に広いということに気づきました。


日本語で「タレント」というと芸能人、
「タレントマネジメント」などと言おうものなら
芸能事務所を連想すると思います。


ASTDにおける「Talent」とはシンプルに「人材」です。
以前は、従業員やチームなどと呼んでいたものが、
今はタレントと呼ぶほど、人間一人ひとりに対する重みの置き方が
変わってきているのでしょうか。


それもそのはず、日本でも少子高齢化が叫ばれていますが、
アメリカでもベビーブーマーの大量退職が目前です。
その数、なんと600万人!


その穴埋めをする人材は、どうやって見つけてくればいいのでしょうか。


昨年のASTDでは、それに対応して、企業内の知識や文化の維持や
リテンション(人材の維持)に焦点が当たっていたようなのですが、
今年の流れを見ると、どうやらそれだけでは全然人手が足りない!
 →いろんな人を活用していこう!
 →タレントマネジメントだ!
というような流れだったような気がします。


日本でも今ダイバーシティへの取り組みが盛んですが、
均質な労働力を上手に生かしてきた日本は、
今後の人材マネジメント&教育をどのようにしていったらいいのか
ということが、ずっと頭から離れないでいます。


ちなみに、優秀な人材だけをピックアップしてしていく方法も
既によく見られると思いますが、その方法の結果はどう出るのでしょうか。


海外のいくつかの企業では、選抜された人のプレッシャーや
それが本当に望みなのかというようなことに言及されていました。


やはり、人はナマモノですね。


おもしろくもあり、また難しいテーマだと
つくづく感じた次第です。


さて、私の感じたところはこんな範囲なのですが、
東京大学中原淳准教授が、まさにリアルタイムで
内容の濃い実況中継をしてくださっています。


得た知識をこのように配置して思考していかれるのだなぁ・・・と、
同じ場所にいて得たものの違いに恥ずかしく思いながら
大変勉強させていただきました。


中原先生のブログはコチラ
http://www.nakahara-lab.net/blog/


先生のブログの中にもありますが、
やはり、研修や勉強はその前後が大事だということで、
私も少しでも仕事に生かしていきたいと思います。



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