異文化すぎるコミュニケーション in ミラノ 〜イタリア旅・後編〜





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みなさま、だいぶ暑くなってきましたがいかがお過ごしでしょうか。
最近、骨盤矯正のために家で変な動きをしています、ブログ番長のイイジマです。

世界のスーパースター、マイケル・ジャクソンさんが亡くなり、ショックを受けている方もかなり多いと思います。
そして連日のテレビ放送で「スリラー」が頭からずっと離れないという方も……。
あまりにも若い死。偉大な方やカリスマ性のある方はなぜか早い死をとげられる方が多いですね。
80年分くらいの人生を全速力で駆け抜けてしまうのでしょうか。ご冥福をお祈りいたします。



さて、先日送らせていただきましたご案内メールから、たくさんのアンケートをいただきありがとうございます。
また、新企画である「私の失敗談(仮題)」へのご応募をくださった方、誠にありがとうございます。
大変興味深いお話ばかりで、編集部内で盛り上がりながら拝読させていただきました。
プレゼント当選、採用させていただく失敗談いずれも発表(ご本人へのメールでのお知らせ)はもうしばらくお待ちくださいませ。
また、失敗談は7月あるいは8月からは随時募集という形をとらせていただく状態となりますので、
まだ応募はしていないけれどとっておきの失敗談持ってるゼ! という方はぜひぜひぜひご投稿をお願いいたしますm(__)m

さて、6月26日(土)に「英語勉強法」をアップいたしました!
今回は、37号の「ワタシの奮闘記」でご登場いただきました第一三共株式会社にお勤めのChee Wooi Limさんの語学全般の勉強法です。
大切なのはシンプルに「根気」だとおっしゃっていますが、なんと7ヶ国語を勉強し、
さまざまな場所でお仕事をされてきたというLimさんだけに、このお言葉はズシリと重いものがあります。
はぁ……すごいですねぇ、本当に。スペイン語を5ページで挫折した私にはとっても耳の痛いお言葉……。




Limさんの語学勉強法を読みたい方はコチラから、
Limさんの記事を読みたい方は37号から、
読者登録がまだの方はコチラからどうぞ (^з^)/




ところで、アラマキの先週のブログに「Hello Idea」な瞬間について書かれておりましたが、
私はお米をといでいる時以外にも、ジョギングをしている時にアイデアが浮かぶことが多いです。
「浮かぶ」というよりも、心の底から運動嫌いだけど健康のために仕方なくジョギングをしている超インドア派の私は、
意識を飛ばし、走っていることを忘れてしまわないとすぐに嫌になってへばってしまうので、
わざと何かを考えるようにしています。そうすると自然とアイデアが浮かんできて、
そうこうしながら走っていると、あっという間にゴール&アイデアゲット♪という感じです。




さてさて、今日はイタリア紀行最終回です。
前回は欲張って急きょ中編まで設けてしまいましたが、今回で本当に最終回でございます。







ベニスから帰ってきた夜、ミラノのミロ宅へ戻ると、ミロから明日は友達みんなとコモ湖に行くと言われました。
国境を越えてスイスのカジノにも行くからパスポートを持っていくようにとのこと。
コミ湖は別名ラーリオ湖といい、イタリアで3番目に大きな湖だそうです。
ミラノから車で30分〜1時間ほどの場所にあり、スイスと隣接しています。

翌日、軽く正装をしたミロと、ロベルトという男子、アイリーナとカトリーナという女子2名で、まずはカジノへGO。
私にとってそれは初めての体験です。「カジノ」なんて聞いた私は、日曜洋画劇場などでよく見る
「おやおや、マダム。今日は勝利の女神が降りてきているようですな」
「おほほ……いやですわ、ミスターウィリアム。たまたまですのよ」
などと、紳士&淑女たちの気品きらめく社交界を想像していましたが、中の様子は意外にカジュアル、
赤いスリムドレスやダイヤをまとったマダムも、髭を生やして小太りな体をスーツで包んだジェントルマンもいません。


ちなみに、私は旅人の身ですのでカジノなど怖くてできませんでしたが、ミロは10万円ほど儲けていたようです。…ちぇ。

そしていよいよコモ湖へ。
そこには息を呑むような絶景が広がっていました。




ブルナーテの灯台から見た景色。Wikipediaより。




みんなでぶらぶらと散歩している時、アイリーナとカトリーナが私に積極的に話しかけてくれるのですが、
ここでもやはり英語もイタリア語もお互い話せない身ですので、なんだかよくわかりません。
ホテルや中心街などでは別ですが、一般的にはこれほど英語が通じないものなのかと驚きました。
通訳をしてくれていたミロも途中で疲れて飽きて?しまったのか、放置状態です。
ま、初日からほぼ放置でしたが…。


そして、イタリア最後の夜。
ターニャも含め、みんながお別れパーティを開いてくれ、私のイタリア紀行は終わりを迎えようとしていました。
最後に、みんなが何か日本語を教えてくれと言うので、
私はせんだみつおのナハナハを、モテるセリフとキマるジェスチャーとして伝授いたしました。
ミロは「日本の女子に会ったらまずこれをやって挨拶するぜ」と何度もナハナハ言ってまいす。
そして後日、私の友達に本当にやってました。…くす。

国も人種も文化も習慣も異なれど、やはり人間の感情や論理などは基本的には大差はないと思います。
今回の旅行では、伝えようという気持ちがあれば伝わるものだということを改めて痛感しました。
日本語や英語でそれほど苦労しなくても伝わることももちろん楽しいし大切なのですが、
お互いに「伝えよう」という意識で一生懸命手ぶり身ぶり話していると、じっくり人と接している感じがします。
そんなことをしみじみと思い、イタリア旅行の楽しさを振り返りつつ明日にそなえて就寝です。


翌日、ミロはミラノからお母さんの住むローマへも帰るというので、私1人でロンドンへ帰ることになっていました。
私はミラノ・マルペンサ国際空港へ、ミロは国内線が飛ぶリナーテ空港へ向かいます。
私をマルペンサ空港に送ってくれるように、ミロパパの部下のおじさんにお願いしておいたとのことでした。
先にタクシーが来たミロとはマンションの下でお別れした後、その部下の方を待っていると、
毒づいたゴルゴ13のようなおじさんが窓に毛むくじゃらの腕をかけながら現れました。
「ぇ……この人?」


どうやら間違いないようなのでとりあえず車に乗り込みましたが、ゴルゴもまったく英語が話せない様子。
閉ざされた狭い車内で、肩にずっしりと重い沈黙がのしかかります。
私はゴルゴのゴツい横顔をたまに見やりながら、どうしたものか……と居心地の悪さを感じるばかり。

で、でも、怖い顔の人だけどミロパパの部下だし、接してみたら案外良い人かも……。
このイタリアで異文化コミュニケーションの楽しさを改めて感じたじゃない! がんば、私!


と思った矢先、道路の信号がないところをヨロヨロと歩いていたご老人に向かって


プップー!!!


と容赦なくクラクションを鳴らしているではないですか ( ̄▲ ̄;)|||
そうかと思えば何かブツブツ言いながら、よく衝撃映像のテレビ番組などで見る
アメリカのカーチェース並みの運転をするゴルゴを見て、話しかけてみる気もすっかり失せてしまいました。
イタリアは運転が乱暴だとは思っていましたが、実際に自分がその車に乗ってみると生きた心地がしません。
「あわわわわゎぁ……遠いミラノで死んだらごめんなさい」と心の中で日本の母のことを思う私……。
そんな私をよそに、スタイルの良いきれいなお姉さんを見ると「げへへ」と笑うゴルゴ……。

話しかけてみるどころか、酔わないよう体を固定させるのに必死、ぐったりしていたところようやく空港へ到着です。
1時間以上にも続いた恐怖のドライブと重い沈黙からようやく解き放たれることに心底安堵しました。

結局、ゴルゴとは1時間強の間、後部座席のカバンを取りたかったためにものすごい勇気を振り絞って言ってみた
「スクーザ(エクスキューズミー)」
「プレイゴ(どうぞ)」
という会話だけ。昨晩感じたあの異文化コミュニケーションへの爽やかな思いはどこへやら……。
ゴルゴくらい「異文化」だと楽しさを感じる余裕もございませんでした。とほほ。


そして無事にイギリスへ帰国し、ほっとしました。




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