太陽を西から登らせた男



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みなさま、こんにちは。『GLOBAL MANAGER』編集部のアラマキです。

先週はお盆休みの方も多くいらっしゃったのではないでしょうか。電車もいつも
より空き気味で、東京の街もなんとな〜くユルい感じが漂っていましたね。昨年も
書きましたが、嫌いじゃないです、この感じ。


『GLOBAL MANAGER』第38号に関してですが、イイジマからもご報告させていただいた
通り、27日のアップの予定となっております。いましばらくお待ちくださいね!


現在の最新号(37号)はコチラから。
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その38号から始まるのが新コーナー「志のチカラ 〜列島を飛び出した個性」。世界の
舞台で活躍する日本人を取り上げるコーナーで、第1回目となる今回はとあるミュー
ジシャンの方を取り上げています。これからも、スポーツ選手やアーティストなど、
ビジネスパーソン以外で世界で活躍される方を取り上げていきますので、楽しみに
していてくださいませ。


志に忠実に、世界を舞台に活躍する彼らの姿は、ビジネスパーソンの方にとっても
刺激になるはず。さまざまな分野の方を取り上げる予定なので、お楽しみに!


さて、世界で活躍する日本人、特にスポーツ選手というとみなさま誰を思い浮かべるでしょうか。
多くの方がまず思い浮かべるのが、米MLBで活躍するイチロー選手や松坂選手ではない
でしょうか。もちろん、彼らもアメリカで十分に有名な日本人アスリートですが、
それを上回る知名度を誇る、現在アメリカでもっとも有名な「アジア人のアスリート」
がいるのをご存じでしょうか。


マニー・パッキャオというフィリピン人のプロ・ボクサーが、その人です。日本では
ボクシング・ファン以外の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、このパッキャオ、
アメリカではとにかく絶大な人気を誇っています。ボクシングの本場・ラスベガスで
メインイベントをはれるアジア唯一の選手であり、アジア人初の4階級制覇を果たした
超ビッグネームなのです。


そのパッキャオの名を一躍有名にしたのは、「The DREAM MATCH」と銘打たれた2008年12月
のオスカー・デ・ラ・ホーヤ(米)戦。



右がパッキャオ。ちょっと、ブルース・リーっぽい? いかにもアメリカ人がイメージ
するような「東洋の格闘家」っぽい、撮られ方ですよね〜。


デ・ラ・ホーヤといえば、世界屈指の人気ボクサーで、6階級制覇という前人未到の記録
を作ったアメリカの生ける伝説。おまけに、ご覧頂ける通りかなりのイケメン・アスリート。
そのデ・ラ・ホーヤを、パッキャオは一方的な展開の末、10回TKOで下したのです! 米国内では、
HBO(テレビ局)のPPV(ペイ・パー・ビュー)中継の売り上げは125万件を突破して興行収益は
7,000万ドル以上となり、パッキャオはアジア人史上最高額となる2,000万ドル(ドルですよ、ドル!)
以上のファイトマネーを獲得しました。フィリピンでのテレビ視聴率はなんと98%(ほぼ、全国民?)。
その後も、今年の5月にはイングランドの国民的英雄リッキー・ハットンマンチェスターを主戦場と
する人気選手で、同地出身のロックバンド・OASISギャラガー兄弟とは親友の仲)を2回KOで
葬り去るなど、その快進撃は留まることを知りません。


パッキャオが驚異的なのは、これまで階級を徐々に上げてきた、その歩みにあります。前述のデ・ラ・
ホーヤ戦はウェルター級(63.5〜66.7kg)という契約ウェイトで行われたのですが、パッキャオ
はもともとライトフライ級(47.6〜48.9kg)という軽量級から徐々にクラスをあげてきた選手。
そのパッキャオが、もともとウェルター級〜ミドル級(69.9〜72.6kg)前後の階級で試合を
してきた超実力者のデ・ラ・ホーヤをノックアウトしてしまったのです。これは、体重1キロ
の違いがとてつもない差を生む階級別のスポーツ、ボクシングの常識では考えられないこと。


フツーに考えてみてください。もともとの体重が20kgくらい違う相手と両の拳で真剣に殴り合って、
倒してしまうんですよ?
日本でのテレビ中継では、アナウンサーが興奮して「太陽が西から登りました!!」(っていうのも、
どうかと思うけど・・・)と実況していましたが、要するにそのくらい「あり得ない」ことを
成し遂げてしまったんですね、パッキャオは。


このように階級の常識を覆したこと、また、かつての宗主国だったアメリカが誇るスーパースターを、
植民地であったフィリピンの国民的英雄が倒すというインパクトもあり、この試合でパッキャオ
は完全にアメリカでの超がつくほどのセレブリティの地位を手にしたのです。米Yahoo!スポーツ部門、
Googleスポーツ部門、アメリカ最大の総合スポーツ雑誌「スポーツ・イラストレイテッド」の
2008年最優秀選手賞を総ナメで受賞。また、『タイム』誌が選ぶ「The World's Most Influential
People(世界で最も影響力のある人物100人)」の「Heroes & Icons(英雄と象徴)」部門の
2009年版に選ばれるなど、スポーツの世界を超え、アメリカでは一つのアイコン的な存在になっています。


そんなパッキャオの試合の動画はyoutubeなどでも多数見ることができるので、ご興味のある方は
ぜひ我らがアジアの同胞の勇姿をご覧下さい!


パッキャオのように日本ではあまり知られていなくても、世界で活躍しているアジア人はたくさんいます。
「志のチカラ」では、「日本人」という枠組みになりますが、そんな彼らの活躍ぶりを皆様に伝え、
ビジネスパーソンの方に刺激を受けていただくようなコーナーを目指したいと思っています。
今後も、楽しみにしてくださいませ!


というわけで、今回はこの辺で失礼したいと思いますです。


次回はイイジマによる連続シリーズ「英国の食事情」の第2回目。果たして、「衝撃の料理」とは!?
今後も、本誌ともども、この編集部ブログをよろしくお願いいたします!



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