ウィーン超珍道中 <中編〜恐怖の男〜>





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みなさま、こんにちは。
シルバーウィークはお出かけになられましたか?
私は家族となぜか多摩動物公園(東京・日野市)に行くことになりました。


敬老の日にちなんでか、その日まで1週間ほど60歳以上のシルバーの方は入園無料でした。
母親は身分証明書を持っていなかったのですが、入園所で生年月日を言えばOKとのこと。
それを聞いた母親、
「60歳超えてますなんて口で言ったって信じてもらえないわよ〜」
「今日に限って身分証明書を持ってないなんて・・・あぁもったいない!」
と本気で悔しがりモードに。
・・・しかし、えぇ、なんの疑いの余地なく入れていただけました。


ところでこの多摩動物公園に行かれたことはありますか?
山を切り開いてできた、広大な面積を誇る、日本最大級の動物園なのでございます。
豊かな自然の中で、昆虫からゾウまでさまざまな種類の動物をピクニック気分で鑑賞できるのが魅力。
ライオンを間近で鑑賞できるライオンバスも昔と変わらず大人気です。


動物園の中はアフリカ園やアジア園、オーストラリア園などとコーナー分けがされていて、
オーストラリア園ではやはりコアラとカンガルーが目玉となっています。
ぴょんぴょん飛び跳ねる姿をテレビで見て以来、すっかりカンガルーファンになってしまった私。
「カンガルー園へようこそ!」と書かれた門をくぐり、初の生カンガルーとのご対面です!



もっと感動させて







さて、グローバルな視野を育むビジネスweb情報誌『GLOBAL MANAGER』は
リニューアルに伴い「ほぼ週刊」の「Weeklyグロマネ」を下部に設けることになりました。
昨日(9/24)は「information」にてインデックス・ファンドの創始者ボーグル氏の最新著書がアップされました。
来週には「私の失敗談」がアップされる予定です。


「すべてのコンテンツ」ではなく「何かしら」がほぼ週刊くらいのペースでアップされるという
ややゆる〜いものですが、よろしかったらちょこちょこ覗きに来てくださいませ!
「私の失敗談」は引き続き投稿をお待ちしております m(__)m


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今回のイイジマブログは、ウィーン珍道中の続きでございます。
前回の巻も読んでいただけるとなんと楽しさ2倍!



さてさて、出端からへとへとになりながらブラティスラバに到着した私と幼馴染みのM。
地方の国内線の空港と見間違うほど小規模のブラティスラバ国際空港に到着すると、
ウィーンへの列車が走る駅へと向かおうとした私たちにいきなりの壁が。


「ユーロは使えません」


オーストリアへ行こうとしていた私たちはポンドをユーロにしか換金していませんでした。
たかが通過するためにスロバキアのコルナに変えなければなりません。
みなさまもこんな経験があるかと思いますが、これって面倒&赤字ですよねぇ・・。
スロバキアの通貨も2009年1月1日にユーロに変わりました。

しぶしぶユーロをスロバキア・コルナに換金し、バスに乗って駅へ向かった私たち。
憎々しい長い前置きが終わり、ようやく「to Vienna(Wien)」の乗り物に乗れました。
ブラティスラバを出発して1時間ほどでウィーンに到着。苦労の連続の後だったので喜びもひとしおです。




Wikipediaより




宿泊先は、ウィーン南駅から徒歩5分ほどのホテルです。
荷物を置きたかったため、観光の前にチェックインを済ませようと、まずはホテルに向かいました。
こじんまりとしていましたが、中はキレイでこじゃれたホテルです。

しかし、まだ掃除をしていないから荷物を部屋の中に置けない、少し待っていてくれと言われました。
お腹が空いていた私たちは、その間に近くで食事をしてこようということになり、
荷物をフロントで預かってもらい、ごはんを求めていったんホテルを出ました。

「何食べよう♪」「オーストリア名物ってなにかしら」などとキャピキャピしながら、
駅の方向へ歩いていきました。その通り道にも洋服屋さん、模型屋さん、花屋さんなど
いくつかお店が並んでいて、時に足を止めながらお散歩気分で歩いていました。
旅の疲れは一気に吹き飛び、ふたりともすっかりご機嫌です。


──しかし少しして、私はふと違和感を覚えました。

5メートルほど後ろにいる、私たちと歩調を同じにして歩く人物の存在がその原因のようです。
そっと後ろを振り返って見ると、それは背が高くメガネをかけた30代後半くらいの男でした。
服装は石田純一風(←肩にひっかけたセーター、素足に革靴)。
初めて訪れたウィーンで知り合いなどいないし、つけられる心当たりなんてもちろんない私たち。
偶然かしらと思いつつも警戒して様子をうかがっていました。

しかし、私たちがお店のショーウィンドウで止まると、男も止まる。
歩き出すと歩き出す。レストランのメニューを見るために止まると、男も止まる。
また歩く。止まる。歩く。止まる・・・。
男は後ろで同じ動作を繰り返し、決して私たちを追い抜かしていかないのです。

私はMに「あの石田純一風の男、私たちの後を付けて来てるんじゃないかしら」と言いました。
すると、どうやらMも同じことを感じていたようです。
「あそこのカフェでごはん食べようよ」とMに提案しながら、
男がそのカフェを通り過ぎて行き、「勘違いだったわね」「これだから女っていやぁねぇ」などと
ふたりで被害妄想を笑い合う場面を期待していました。


しかしそんな期待をよそに、男は堂々とそのカフェに入ってくるではないですか!
「ちょちょちょ、ちょっとちょっと、入ってきたわ〜!」

しかも男はじーーーーっとこちらを見つめ、目が合うとにや〜っと笑います。
私たちは恐ろしくなりながらもとりあえずご飯を注文、男はビール1杯だけ注文しているようでした。
ご飯を食べている間も、遠慮なくまっすぐ向けられる視線が気持ち悪くて味なんてわかりません。
食べたらすぐ出ようと決め、とにかく急いでかっくらいました。

そして食べ終わるとすぐにお会計を済ませ、急いでカフェを出ました。
これでこんな気持ちの悪い男とはおさらばできると、ホッとしたのも束の間。
男はまだ半分ほどビールが残っているのに慌てて立ち上がり、
紙幣1枚を置いてお釣りも受け取らずカフェを出てくるのです・・・!!

「ぎゃ、ぎゃーーーぎゃーーー」

男が付けてきたことは私たちの中で決定的になりました。
こうなりゃホテルだけは知られまい、駅に行って純一を撒こう、とあわあわしながら話し合い、
本当はご飯を食べてすぐホテルに一度戻るはずだったのですが、とりあえず駅へ向かって猛ダッシュ
すると、都合の良いことに、私たちはカフェと駅の間にある信号を青ギリギリで渡ったため
男は赤信号に足止めをくらい、渡ることができませんでした。


「よかった・・・。すぐに戻らないで駅の人ごみを少し歩いてからホテルに戻った方がいいね」


私たちは胸をなでおろしながらも警戒心はまだ解かずに、とりあえず駅で少しうろちょろしていました。

10分ほど時間をつぶしてから、私たちは駅からホテルまでの道を戻ることに。
しかしまだ純一がどこかにいることも十分考えられるので油断は禁物です。
私とMはタカとユージさながら 昔がっつりファンでした
キョロキョロと辺りを見回し、男がいないことを確かめながら少しずつ歩を進めます。



緊張感でヘトヘトになりながらようやくホテルにたどり着きました。
ホテルに入るところを男に見られていないか、入る前にもよく周りを確かめて
「OK! 今よ!」などと声を掛け合い、素早く中に入ってドアを閉めました。 なにやってんだろう



バタン!


「はぁ〜〜〜〜・・・よかった。うまく純一を撒けたね」
私たちは安堵の胸をなでおろしました。

フロントに行くと「部屋の用意ができてるわよ」とお姉さんから部屋のキーを受け取りました。
3階の部屋に向かって荷物を手に階段をのぼりながら、
「じゃあまずどこに行く〜?」「ケーキ食べたい」などと、ウィーン観光に胸を膨らます私たち。
純一の恐怖も徐々に薄れ、ようやくふたりに笑顔が戻ってきました。
窓から差し込む陽光が実にさわやかです。

しかし2階から3階への階段をのぼり始めたその時。
私たちは言葉を失いました。

男が3階から下りてきたのです──。


             チャチャチャ チャチャチャ チャ〜ラ〜




火サスも顔負けのこの展開、ふたりの運命やいかに!?
来週は編集長アラマキの記事です。
さぞやエキサイティングな連休話が満載なことでしょう。
みなさま、どうぞお楽しみに!





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