ウィーン超珍道中 <中編〜恐怖の男・続〜>





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みなさま、こんにちは。台風は大丈夫でしたか?
我が家は外にいつも置いてあるゴミ箱が飛んでいってしまい、ご近所の方が拾っておいてくれた
ということ以外は特に何もありませんでした。
が、ボロ家なので崩壊しないかかなりハラハラしました・・・。
地震がきたら100%全壊まちがいなしの古い家なんです。


前回のお知らせメールより、たくさんのアンケートならびに「私の失敗談」のご投稿をありがとうございました。
みなさまのご協力に心より御礼申し上げます。m(__)m
「私の失敗談」は多くの読者さまからご好評をいただき、編集部一同大変喜んでおります。
エピソードは随時募集しておりますので、フォームよりどうぞよろしくお願いいたします。

 

ところで、こちらのGMブログですが、毎週更新しているのにはふたつの目的があります。
ひとつは『GLOBAL MANAGER』の既読者のみなさまに編集部を身近に感じていただきたい、
もうひとつは、初めてご覧になっていただいた方を『GLOBAL MANAGER』にお誘いすることです。
そんなわけで、少しでも「面白い!」と思っていただけましたなら、
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さてさて、今回のイイジマブログは、ウィーン珍道中・謎の男純一の続きでございます。
前回の巻前々回の巻も読んでいただけるとなんと楽しさ3倍!!








階段をのぼって部屋に向かう私たちの目に飛び込んできたのは、
ようやく逃れられたと思っていた、あの謎の男でした。
私とMは凍りつき、その場から動けなくなりました。


しかも男はこのホテルのオーナー(男性)と一緒に階段を下りてくるのです。
私たちは何が起こったかまったく状況を飲み込めず、ただそこに立ち尽くすばかり。
後ろからつけてきたものが前から来た・・・この恐怖はなかなかありません!


男はオーナーと何かをドイツ語で話ながら私たちの前を通り過ぎていきました。
通り過ぎる際、男は目だけでこちらを見て、やはりニヤリと笑うのです。
その不気味な顔は、一生懸命撒こうとしていた私たちのこれまでの行動をあざ笑っているようでした。


男とオーナーが降りていくと、私とMは急いで階段を上り3階の部屋へと駆け込みました。
そして、廊下に男がいないことを確認すると、急いでドアを閉めて施錠しました。


「あわわわわわゎゎゎわわ・・・・なんでなんでなんで!?」
「しかもオーナーと一緒だったわよ!」


もう何が何だかわけがわからず、なぜ男はこのホテルを知っていたのか、どうしてオーナーと一緒にいたのか、
このホテルで何をしているのか・・・など私たちは部屋でいろいろなことを考えました。
そして出た結論


オーナーと純一はグル

そうなると、鍵をかけておくだけではオーナーが男に鍵を渡したらおしまいだ、という考えに至った私たち。
大慌てで、部屋にあった椅子やらベッドの横のサイドテーブルやら、
とにかく重みのあるものを片っ端から集めてドアの前に置いていきました。
腕にも腰にもけだるさを感じながら「ウィーンに来てこの仕打ち・・・」と悲しさがこみ上げてきます。


一通りのものをドアの前に置き、男(とオーナー)の侵入はひとまず防げたかのように思えました。
疲労からベッドに倒れこむと、Mが力なく言います。
「このベッド、すごくキレイでお姫様みたいだわよ」
たしかに、美しい彫刻が彫られたベッドにふわふわのお布団、おとぎ話のお城に置いてありそうなベッドです。
「ほんとねぇ。あぁ、ゴロンと寝転がってリラックスしたいのに・・・純一のせいで」
「あんた、もう純一なんて爽やかな名前であんな奴のことを呼ぶのはおよしよ。
 あんなやつ“J”で十分」 でもやはり純一は引きずる
ドアの前の椅子やらテーブルやらを眺めては深いため息が出ました。


が、このまま部屋に留まるわけにはいきません。せっかくウィーンに来たのだから観光に行きたいのは当然です。
フロントに電話しようともしましたが、安いホテルのせいか、部屋に固定電話はついていませんでした。
しかもここは3階。窓から降りられないことはないけれども、できれば最終手段と考えたい。

つまり、私たちは袋小路に追い詰められているわけです。


超心配性&妄想族の私と超怖がりなM。
ベッドに腰掛けながら、途方にくれました。


私「がんばって3階から降りてみようか・・・」
M「それより、助けてーって叫んだ方がいいんじゃない?」
私「それってドイツ語で何て言うの?」
M「あー、こんなことなら大学の時にもっとちゃんと講義を受けておけばよかった」


私「いずれにしても、ここにいても仕方がないから少ししたら部屋から出るしかないよ」
M「でもどうやって出る? 廊下にはJとオーナーが待ち受けているかもしれないのよ」
私「あぁ〜、女子だけの旅ってこんなに危ないのねぇ。まさかこんな目に合うなんて。
  誰でもいいから男子を連れてくりゃよかった・・・」
M「スメリーだったら来たんじゃない?」
私「え、それはいや・・・」


Mと私はもう完全に狼狽しまくりです。
ちなみに「スメリー」とは、風呂が大嫌いでいつも異臭を放っていた近所の男子ジョンのこと。
最初は「スメリージョン」と呼ばれていましたが、最近では「ジョン」すら割愛されています。


こんなところで足止めを食らっていることへの苛立ちはつのり、ついに頂点に達した私は、
「もうにっちもさっちもいかないから、行こう!」とMの手を引っ張りました。
「ぎゃー怖いよ〜〜〜!!」


私たちは少しずつドアの前の家具をどかしていきました。
護身のために、畳んだパイプ椅子を両手で前に掲げながら、私が先に歩いていくことになりました。


私「さぁ、ドアを開けてちょうだい!」


私の言葉を合図にドアを勢いよく開けるM。
またもやタカとユージが私たちに降りてきました。
壁づたいにゆっくり歩きながら、角を曲がる度にパイプ椅子をブンブンふりかざします。いよいよバカ?


へとへとになりながら、なんとか無事に1階のフロントに到着です。
ひとまずJに襲われなかったことに安心しながら、フロントのお姉さんに事情を話しました。
男の特徴、私たちがホテルを出てからずっと付けられていたこと、
滞在先を知られないように、戻ってくる時に必死で撒いたこと、
そうかと思ったらオーナーと一緒に階段を下りてきたこと・・・。


ほんの10分くらい前のことだから、オーナーに聞けば絶対にわかるはず、
電話して聞いてみてほしい、このままじゃ安心してこのホテルに泊まれないということを必死に訴えると、
そのお姉さんは「それは大変ね」と心配してくれ、その場でオーナーの携帯に電話をしてくれたのです。
ドイツ語はわかりませんが、受話器の向こうのオーナーに懸命に説明してくれる様子に、
「このお姉さんはグルじゃないわね」などとMと話しながら、電話が終わるのを待ちました。


「あの人はオーナーの友達で、怪しい人じゃないから安心して」


・・・そんな言葉を期待していました。
とにかく早く安心したい。せっかくウィーンに来たのに!
オーナーよ、頼む!!!!



しかし、電話を切った後のお姉さんの言葉に私たちは耳を疑いました。


「オーナーはホテルで男と歩いていたおぼえがないって言ってるわ」


                 チャチャチャ チャチャチャ チャ〜ラ〜





Jに降格してしまった純一、いよいよ怪しさ満点です。
そしてさらに怪しいのがこのホテルのオーナー。
ふたりの運命はもしかしたらこのオーナーが握っているのかも!?


来週は編集長アラマキによる記事になります。
みなさま、どうぞお楽しみに!




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