ウィーン珍道中 <後編〜ウィーンの町&恐怖の男・続〜>





◆グローバルな視野を育むビジネスweb情報誌『GLOBAL MANAGER』はコチラからどうぞ。

みなさま、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げますm(__)m
もう年が明けて3週かが経とうとしているので今さらなのですが、
私がブログを書くのは今年お初なので、新年のご挨拶をさせていただきました。

年末年始はみなさまいかがお過ごしでしたでしょうか。
私は大掃除がうっかり年を越してしまい、今年も最初からこんなかぁ・・・と大いに反省しました。
今年は精神力と体力を鍛えるため、大嫌い&苦手な運動でもやってみようかと思います・・・。

やはりスポーツ選手や経営者、アーティストなどなど、いわゆる「一流の」と呼ばれる人たちは、
その強靭な精神力に頭が下がる思いです。
例えば「毎日続ける」というこの恐ろしく大変なことを成し遂げるという精神力。
イチロー選手は同じ時間に奥さんがつくった同じカレーを毎日食べるとか。
中村俊輔選手は中学生のときから「サッカーノート」を毎日つけてるとか。
歌手のGACKTさんは成功するために、なんと主食であるお米を断ったとか。
このストイックさは強靭な精神力の賜物ですよね。
そんなわけで、私も今年は気合いが入ってます! 喝!!

そしてその気合いはもちろん「GLOBAL MANAGER」制作にも向けられています。
より充実した誌面に向けて精一杯がんばりますので、
どうぞみなさま、今年もご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。

最新号(39号)はコチラから。
読者登録がまだの方はコチラからどうぞ (^з^)/




さて、年を越してしまいましたが、まだウィーン編がしつこく残っておりますので、
今年初めのウィーンブログを書かせていただきたいと思います。


前回の記事たちはこちらでございます!→ 1話目 2話目 3話目 4話目






その後、なんとかトラムに乗って市街へと出た私たち。
ウィーンの町並みはまるで映画のセットのように美しく、デパート級の大きな建物が集合してひとつの町を作っている感じです。
古汚いものや下町っぽい雰囲気が好きな私にとっては、美しすぎて味がないと感じたのが正直なところ。
しかし日本からやってきたMには、そのヨーロッパらしき美しさが非常に新鮮なようでした。
絶対的に美しい「これぞヨーロッパ!」という町並みを求めてヨーロッパへご旅行するならば
ウィーンは見事にその期待にこたえてくれるのではないかと思います。


ちょうどその年はモーツァルト生誕250年、小さな祭事があちらこちらで開催され、街の中は活気に満ちていました。
が、ふたりとも5・6歳から中学生くらいまでピアノをやっていたとは思えないほどの無関心ぶり。
モーツァルトはすごい。しかし、ウィーンで私たちの乙女心をくすぐったのは、彼ではなく断然ケーキだったのです。

  
チョコレートケーキの王様といわれるウィーン発のケーキ「ザッハトルテ」。すまん、モーツァルト



それから、ウィーンといえば馬車ですね。街の中を周遊する馬車を見ると、私たちのテンションは少しずつ上がってきました。



町の中を走る馬車。風情があります。

しかし、うろうろしているとすぐに疲れてしまい、私たちは噴水のある広場の前を通ると早々に休憩モードに入りました。
やっぱり心配事があると心から楽しめないのですね。そして精神的な疲れは肉体にも現れるものです。

広場で一休みしていると、新婚旅行で来たという30歳前後の日本人ご夫婦にお会いしました。
そのおふたりは日本からのツアーでいらしたらしく、明朝はプラハに移動だとのことです。
ほとんど予備知識もなく来て、しかもJ事件で動揺し、特定の行き場所もなく
ウィーンをただうろうろしていた私たちに、そのご夫婦が耳寄りな情報をくださいました。

「ラントマンという老舗カフェのケーキがウィーン1おいしいってガイドさんが言ってましたよ」

予断ですが、このラントマン、海外1号店が表参道にオープンしたそうですね。
私たちはウィーンに 正確にはスロバキアに…来てはじめて嬉しい気持ちになり、
明日はぜひそこへ行こうじゃないかという話になりました。
さらに、明日はもうウィーンにはいないからとモーツァルトミュージアムの入場無料券をくださる奥さま。
とりあえず、そちらもいただいておきました・・・えぇ。

そのご夫婦と別れた後、ふたりの背中を見つめながらMがポツリと言いました。
「あのふたりはちゃんとしたホテルに泊まってるんだろうね・・・」
「新婚旅行だもんね・・・・。ああ取り替えてほしい。ホテルもその安心も」

ふたりとも再び宿のことでどっぷりと気が重くなりました。
なんせまだJのこともオーナーのことも解決していないのです。とりあえず観光しちゃってますが、
宿を変えた方がいいのか、それとも先ほどのようにドアの前に重いものを置き、
厳重な戸締りをして寝れば大丈夫だろうかと、悩みに悩みました。


私「あのホテルに泊まったら今夜は絶対に恐怖で眠れないよ・・・。やっぱりホテル変える?」
M「でもお金が・・・」
私「お金なんて大した金額じゃないわよ、私たち命を狙われてるのよ!」 そうなのか?
M「なんで初めて来た国でいきなり命を狙われなきゃいけないのさ・・・」
私「ここでホテル代をケチって命を落としたら本当にバカバカしいわ」
M「でもどうして私たちを? いったい何のために!?」 やや酔い気味



しかし、ホテルを変えるにせよ荷物は取りに行かないとならないので、ひとまず戻ることに。
あのホテルが見えてくると、先ほどの恐怖がまた戻ってきて、再び顔がひきつってしまいます。
この日は、どこに行って何をして何を食べたかなど、恐怖でほとんど記憶がありません。




受付には先ほどのお姉さんがまだ座っていました。
怪しい男からの訪問や電話を受けたかどうか訊ねると、何もなかったとのこと。
ひとまず安堵していた私たちに、お姉さんは「何かあったら呼んでね」と付け加えてニコリと笑いかけてくれました。


M「お姉さんよ・・・・彼女はウィーンのマリア様だね」
私「ほんとねぇ」

ひとまずJの影はなさそうだったこと、またこの時の私たちにとって唯一の味方であるお姉さんの存在が、
ホテルを変えずに少し様子を見てみようという気にさせました。
幸いオフシーズンだったし、多少遅い時間でも、
どこのホテルにも泊まれないということはないだろうと思ったのです。


私たちは警戒しながら部屋に戻りました。
まずはもちろん鍵をかけ、そして机など重みのあるものすべてをドアの前に移動。
廊下で物音がしては身体をビクッと揺らし、道路で男の声が聞こえると恐る恐る窓の外を見下ろす、
そして時には「こう来たら、こう」「ここをこうこうこう」と
護身術まがいのことまで練習して、神経がぴりぴりと張り詰めた状態で
部屋から一歩も出ずにウィーンの夜を過ごしました。
部屋から灯りが漏れると、部屋に戻ってきたことがJ&オーナーにばれる!と
灯りを最小限にもしました・・・。あまり意味ないと思いますが。


しかし、昔話に花を咲かせたり、ウィーンのテレビ番組を見てみたり、
9時くらいからシャワーを浴びたり、寝る支度を始めたりしてゆったりとした時間を過ごすと、
少しだけ気持ちが落ち着いてきました。気が付いたら10時を過ぎています。


ホテルから戻ってきて4時間、これまで特に何も起こってはいません。
J&オーナーも私たちが部屋に戻ってきていることはわかるはずだと思うのですが、
特に何かをしてくるわけでもなく、時間だけが過ぎていきます。


そこで、だんだん気が緩んできた私。

「ねぇねぇ、ちょっとワイン飲もうよ・・・てへ」
「え・・・お酒飲むわけ?」
「走って逃げられるくらいにしておくから」


私は冷蔵庫に入っていた赤ワインの栓を抜いてしまいました。

最初は気を緩めすぎてはいけないと思いちびちび飲んでいましたが、そのうちに普通のペースで飲むようになり、
次第にがぶがぶ飲み出して、ほんわかと気持ちよくなってきた頃には12時半。
「もういい加減、大丈夫かなぁ」
Mの言葉に、すっかりJだのオーナーだのは頭から消し去られていた自分に気づく私。
「大丈夫、私らにはマリア様がいるじゃな〜い。何かあったらすぐに警察に連絡してくれるって言ってたし」
と言いながら、ベッドにゴロンと寝転がりました。

するとMはベッドにかなりの反応を見せました。あの“お姫様ベッド”です。
ウィーンの町並みに大興奮していたMは、気分はすっかりヨーロッパのお嬢様。
「おおぉぉお、そうだ、このベッドの写真を撮って」といいながら、ベッドに飛び乗ってきました。

Mのリクエストを受け、デジカメを取り出した私はおもむろにパシャリ。
またもう一枚パシャリ。さらにもう一枚パシャリ。あ、パシャリ。
洗練された美しいダブルベッドの上でお姉さん座りをしながらピースをするMを見ていると、
なんだか本当に気品あふれるお姫様のようで、私もぜひとも参加したくなりました。


セルフタイマーを設定して、正面の鏡台の上にカメラを置いてベッドの上にいるMの隣へ。
お姫様ベッドの上でお姫様ポーズをとりながら、シャッターが下りるのを待ちます。
そんな私を見て「おぉーいいね、それお姫様っぽい。このベッドに合ってる!」と私のポーズの真似をします。


「じゃあこんなのは?」
「それもいい! じゃあこれは?」
「すごい、王女様だね、こうなったら」


何度も何度もポーズを変えて写真撮影。

ふたりの気分はすっかりヨーロッパのお姫様・・・・*:..。o○☆*゚¨゚゚・*:..。o○☆*゚¨゚゚・*:..。o ラララ〜



「はぁ〜、うっとり。ひょっとしたら昼間の出来事も実はうちらの勘違いだったりして」
さんざん撮影しまくり満足したMが、あまりの楽しさに先ほどの恐怖も忘れかけているようです。
「かもしれない! それに旅にスリルはつきものよね☆」 おい

そしてふたりはそのまま赤いカバーのかけられた布団の中へ。
「あ〜ほんと、眠い眠い。今寝たら7時間はたっぷり眠れるわ」
「あんた・・・さっきは今夜は眠れないって言ってたのに・・・」
「そうだっけ? じゃ、おやすみ〜」


私はサイドテーブルに備え付けられた部屋の電気を消しました。


こうして、この日の夜は何事もなく無事に終了。 
しかし、ふたりはこの時まだ凍りつくようなある事実を知りません──。


                 チャチャチャ チャチャチャ チャ〜ラ〜









もったいぶっているわけではないのに、かなり長くなってます、ウィーン紀行。
次回もまたお楽しみにぃ〜♪



<※写真はすべてWikipediaより>



◆Web情報誌『GLOBAL MANAGER』への読者登録(無料)はコチラからどうぞ。

※集計のため、このブログをご覧になって読者登録をしてくださった方は、登録画面内アンケートでその旨お知らせいただけますと嬉しいです!※       
                            ココにチェックを入れてください

                 (この画像は登録画面のサンプルです)