お薦めランチ「汁無坦坦麺」編


『GLOBAL MANAGER』編集人のSです。


赤坂でランチをするようになって初めて耳にしたメニューの一つが汁無坦々麺(しるなしたんたんめん)です。「シルナシタンタンメン」、なんという不思議な響きでしょうか?軽やかで、辛そうだけれど美味しそう、でもどんなモノ?未知なる世界に迷い込みそうな感覚を抱きながら、恐る恐るその店(希須林 赤坂店)に入ってみると10人ほどがやっと入れる小さなお店でした。


辛さは5段階ありますが、私は真ん中の3辛(さんから)を選択、モヤシ・ニラ・キクラゲなどの炒めた野菜類とゴマベースのたれを麺に絡め、お酢を「2回転半」かけたりしていると、口の奥から唾液が分泌されてくるのがわかります。坦々麺なのに汁が無い、と思いながら食べ始めると野菜のシャキッとした食感とクレオパトラも食べていたという健康食「ゴマ」のたれと中華麺のハーモニーが絶妙で、とても美味であります。普通の汁のある坦々麺と具材はほぼ同じでスープの味だけ違うのかと思っていたら、どうも汁無のほうが味が強くて濃厚な気がして、店員さんへ取材したところ、汁無には汁有にはない「ニンニク」と「しょうが」を加えてあるとの事、なっとくです。ところで、値段は900円ですが、汁ありは950円と50円の差、なしのほうが安い。店員さんによると「スープはいろいろと金がかかっている」との事でした。


本場四川では汁なしが定番とか。下北沢「Tom's製麺」の田店長は読売新聞(2007年5月31日夕刊)の取材に「坦々麺は、本場の四川では汁なしが普通。19世紀半ばに四川の成都で生まれ、マーボー豆腐と人気を二分する料理。麺とたれを天秤に担いで街角で売っていて、天秤を『担いで』売るので『坦坦麺』と名付けられたんですよ」と答えている。スープまで担ぐと重たくてしょうがないので汁無が考案されたのでしょうか?


それにしてもこの店、タンタンメン専門店です。メニューは汁無、汁有に排骨(豚肩ロースの唐揚げ)がつくかどうか、それに辛ニラそばといったところ。後は、少々つまみがある程度ですから、この味にとりつかれたリピーターが相当いるようです。場所は田町通りの裏通り、三井住友銀行の裏の辺り。赤坂のラーメンでは超有名な「一点張」の裏と言った方がわかりやすいかもしれません。


最近、希須林の近くの「ティーヌン」というタイ料理屋にも良く立ち寄るようになりました。そこも汁無し麺があり、こちらは中華麺か又は太さの異なるビーフンを選べるトムヤンクンです。もうすぐ梅雨が明けて本格的に暑くなりそう。この夏も美味しいものを食べて頑張りましょう。


◆『GLOBAL MANAGER』誌のウェブサイトはこちらから